一枚の絵ができるまで。-創作のプロセス-[1] | -夢見る絵画-YUSAKU MUNAKATA ART GALLERY

2018/10/05 23:05

《月夜に》14.8×10.0cm アクリル絵具・紙 2018年


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この記事では、最近よく描いている作品シリーズ(↑のような、黒い紙に金の絵具で描いている作品)の制作過程をご紹介します。


先ずは・・・

〈絵のモチーフを決めます〉


私は普段から、思いついたイメージや言葉、その他 気になったものをクロッキー帳に描き残しています。
空いているスペースにどんどん描き込んでいくので、他人からすればびっしり落書きで埋め尽くされているように見えるかも知れません。
けれど、私にとっては“創造の種”のようなもの。
これを眺めながら自由に想像を膨らませたり、別々のイメージを組み合わせたりしながら、じっくり熟成させていきます。

そんな中から、「今、これを描きたい!」と、感じるものをピックアップしていきます。


今回は、この鹿(?)のような生き物(角が樹になっている)の絵を描くことにしました。
イメージもだいたい固まってきたので、下絵を描きます。
(落書きのようなものやメモ書きがありますが、気にしないでください・・・。)


〈トレースします〉


下絵をトレーシングペーパーに写します。


そして、裏から鉛筆など(今回は金色の色鉛筆)で下絵の線に沿って塗りつぶします。


塗り終わりました。


〈本番用の紙に転写します〉


本番用の紙の上に、下絵の描いてあるトレーシングペーパーを置きます。


下絵をなぞって、転写します。


写真ではほとんど見えませんが、転写終わりました。


〈色を付けていきます〉


転写した下絵をもとに色をつけていきます。


あまり神経質にならず、どんどん塗っていきます。
その方が、自然にゆがみや色むらなどがでて、面白い絵になるように思います。

塗った絵具が乾く前に、違う紙を重ねて剥がしたりして、塗りに変化をつけたりします。


鹿さん(?)の目や、鳥や蝶を描き込みます。
だいたい塗り終わりました。


さて、ここからどうやって描いていくのか、同じように描いていけばいいのか それとも何か違う描き方をしようか・・・、
しばらくねかせて様子を見ることにします。

 

数日後、だいたいの方向性も見えてきたので、また描き始めます。


〈月の部分を貼り付けます〉


私は普段の制作の際に、余った絵具などを紙に塗り重ねています。
ほとんど無作為に塗り重ねているので、自然に面白い色味になっていたり、思わぬマチエールになっていたりします。
そんな素材をたくさんとってあるのですが、今回の絵の月の部分は、その素材を貼って表現することにします。



カットして、貼り付けます。
貼り付けたら、辞書などの重いものを重ねて、しばらく待ちます。


〈背景の夜空を仕上げます〉


かなりゆる~く溶いた絵具を筆にふくませ、手で弾いたりしながら絵具を飛ばします。
絵具を飛ばしたくないところには飛ばないようにしながら・・・、あまり多く飛ばしすぎても画面がうるさくなってしまうこともあったり・・・
テキトーなように見えて、けっこう神経を使います。
あと、ところどころ星を描き込みます。


〈最終仕上げ〉


鹿さん(?)の目が弱かったので、濃いめの色で描き直します。
あと、全体を見まわして最終仕上げをします。


〈完成です〉




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いかがでしたでしょうか?

このようにして一枚一枚描いています。

私の場合、絵によって使う素材や描き方も違います。
今回は、下絵を描いてトレースしたりしていますが、他の絵では画面に直接絵具をのせていくこともあります。
ときには描いている途中でさらにイメージが湧いて、大幅に絵が変わっていく、ということもあります。
一概に「こうやって、次はこうして、このときはこうやって」と、決められないところが創作の面白いところだと、私は感じています。

今後、違う絵の制作過程もご紹介していきたいと思います。